マウスピースには、一般的にドラッグストアやインターネットで販売されているものがあります。しかも歯科医院で作ってもらうよりも格安で購入できるため、使ってみたいと思う方も多いのではないでしょうか?
でも、市販のマウスピースは、基本的に歯を動かすものではなく矯正の効果はありませんのでオススメできません。そのオススメできない理由を3つご紹介します。
1. 市販のマウスピース矯正を歯科医師がおすすめしない3つの理由
<セルフ歯列矯正で綺麗に仕上げるのは至難の技>
一般的にドラッグストアやインターネットで販売されている市販のマウスピースは、お湯やレンジで温めてから口にはめていきます。その際に中の空気を上手に抜きながらフィットさせていくものが多く、ピッタリとフィットさせるにはコツのいる作業となります。
『そこまでしっかりフィットしてなくても、ちゃんと入っていれば少しくらいゆるくても大丈夫でしょ?』という方もいるかもしれませんが、ちゃんと合っていないマウスピースのせいで、逆に何もつけていない時より歯に負担が掛かる可能性もあります。使用しないほうがマシだったなんてことにもなりかねません。
そもそも歯の矯正とは、矯正医が、骨格や歯の噛み合わせ、歯周の状態、ライフスタイル、患者さんの希望などを総合的に判断した上で、治療方針を決定していくものなのです。
歯の矯正に関して何の知識もない個人が、安くて手軽といった理由で市販のマウスピースを使って、自身の希望どおりの歯並びに矯正していくことなど、とてもできる事ではありません。
<おすすめランキングや広告は鵜呑みにしないで(汗)>
マウスピースは、ドラッグストアやインターネットで簡単に購入できますので、歯医者で作ってもらうことを考えると手軽で安価であるため、気軽に始めやすいと言えます。
でも、売れ筋ランキングの上位にきていたり、インターネットの広告でよく見かけるからといって、それは効果がでている事とイコールではありません。
それはあくまで、安価でしかも手軽に始められるからという事がおもな理由ですので、決して鵜呑みにはしないでくださいね。
<歯列矯正の技術はバランスが大切!それは歯科医にしかできません!>
歯列矯正の治療は、正確な診断や精密な治療計画に基づいて行われるべき医療行為であり、技術が必要でバランスが大切となってくるため、決して個人で簡単にできるものではありません。
では、歯科医にしかできない事にはどんな事があるのでしょうか。簡単に箇条書きでご紹介しておきます。
〇歯形の製作やレントゲン撮影、デジタルスキャン、光学スキャナなどの最新技術を用いた歯科医院専用の機材を使って検査が受けられるため、精度の高いオーダーメイドのマウスピースを制作してもらうことが可能です。
〇マウスピース矯正メーカー独自のシステムで治療計画を立てていくことができ、治療開始から完了までの歯の移動計画や仕上がりをコンピューターの画面で事前に確認できることができます。
〇マウスピース矯正メーカー独自のシステムで、マウスピースを制作していきます。コンピューターでシュミレーションした歯の動きに合わせて制作した、数十個ほどのマウスピースを段階的に取り替えていくことによって、理想的な歯並びへと導いていきます。
〇不安なことや質問などがあれば、そのつど定期的に歯科医院に通い、矯正治療が正しい方向に進んでいるか歯科医師に確認してもらえます。
2. 市販品のメリット・デメリット
ドラッグストアやインターネットで販売されている市販のマウスピースは、安価で手軽に手に入るため、一度使ってみたくなりますよね?
そこで、そんな市販されているマウスピースについてのメリットとデメリットを簡単にご説明します。
<メリット>
もともと歯列がある程度整っていて、スポーツなどで歯を食いしばる習慣があったり、歯ぎしりをする習慣があるなど、歯を守りたいという場合には、マウスピースが有効となります。
<デメリット>
しっかりと自分の歯にフィットせず、歯や顎に痛みが出る、口が閉じられなくなった、逆に歯並びが悪くなった、などといった悪影響がでる場合があります。
このように、市販のマウスピースについてはそれぞれメリットとデメリットがありますが、基本的には歯を矯正するという目的で使用するよりも、歯を守るという目的で使用するのが望ましいのではないでしょうか。
関連記事>>>市販のマウスピース矯正って安全なの?
3. 自宅で歯列矯正をする人に気をつけて欲しい事
歯ぎしりを抑え、軽度の歯列矯正にも効果があるという、自宅で手軽に使用することができる市販のマウスピースですが、使い方はとても簡単で、就寝前に装着して寝るだけなのです。
そんな簡単に使用できる市販のマウスピースですが、注意点があります。それは、汚れや細菌を落とすためにお手入れが必要だということです。
私たちは、当然ですが毎日ご飯を食べたり、飲みものを飲んだりします。その結果、汚れがマウスピースに付着してしまいます。そしてその汚れを放置すると雑菌の温床となり、歯垢や歯石、そして虫歯の原因となってしまいます。
こういったトラブルを起こさないためにも、マウスピースのお手入れはとても重要なのです。そこでオススメなのが、もっとも簡単で手軽にできる歯ブラシでマウスピースを磨く方法です。
皆さんも毎日歯ブラシで歯を磨くと思います。その毎日の歯磨きの際に、マウスピースも一緒に磨いてあげることで、マウスピースを清潔に保つことができます。
この様に手軽にできる歯ブラシでのお手入れですが、2つの注意点があります。それは『強い力で磨かない』、『研磨剤の入った歯磨き粉を使用しない』という事です。
この注意点を守らないと、マウスピースに傷が付いてしまい菌や汚れの温床になってしまいますので、注意が必要です。
4. おうちでハミガキケアを徹底しよう
マウスピースを使用する際には、口腔内をきれいに保つことが求められます。歯磨きでの磨き残しがあると、カリエスリスクや歯周病のリスクが高まります。マウスピースで覆われていると、歯と磨き残しが密着して細菌の繁殖層を形成することになってしまいますので、注意が必要です。
そうならないためにも、毎回のハミガキケアを徹底しましょう。とはいっても歯磨きが自己流だと、ところどころに磨き残しが出てきます。そういう場合は、歯科衛生士に歯磨き指導を受けてみるのも良いでしょう。効率的な歯磨き方法を身につけることは、歯を保つためにとても重要です。
5. 最後に
インターネット上では、歯科医師が介在しない形でマウスピース型製品が販売され、歯列の改善への有効性を謳うケースが出てきています。そもそも矯正歯科治療とは、しっかりとした治療計画に沿って行われるべき医療行為であり、誤ったマウスピース型製品の使用は予期せぬ大きな問題を引き起こす可能性があります。皆さんの独自の判断でこれらの市販用の製品を使用して歯の矯正を行うことは、歯科医学的にも非常に危険であるため絶対に行わないでください。
もしドラッグストアやインターネットで市販用のマウスピースを見かけたときには、安易に購入せず、いちど最寄の歯医者さんに相談してみましょう。
てらしま歯科
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