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歯周病は軽度のうちに

更新日:2020年6月22日

歯周病は、口の中の細菌が増えることによっておこる感染症で、歯肉に炎症を起こし、更に悪化すれば、歯が抜け落ちてしまう怖い病気です。歯周病は、サイレンスディジーズとも呼ばれ、自覚症状がなく、気が付いたときには、すでに取り返しのつかない状況に陥っていることもあり得るのです。



健康な状態の歯は、歯と歯の間に歯周ポケットと呼ばれる1-2㎜の隙間があります。毎日の歯磨きがしっかいとできていないと、歯周菌が歯の表面に溜まっていきます。その状態が続くと、歯周菌がネバネバしたものを出し、だんだんそれが堅くなっていき、歯にべったりとへばりつきます。これがプラークと呼ばれるもので、このプラークが歯周ポケットに溜まり、炎症を引き起こします。この状態が歯肉炎であり、この状態では、まだ炎症が歯肉の表面だけにとどまっています。


この炎症が更に悪くなると、この歯周菌が、歯周組織にまで侵入し、歯を支えている歯槽骨や歯根膜に悪影響を及ぼします。歯周ポケットも3-4mmの深さになり、この状態では、歯ブラシではもはや届かなくなるため、そこにどんどん歯石やプラークが溜まっていきます。この状態は、歯周炎に分類され、軽度の症状になります。この段階になると、ひとによっては、歯茎が腫れたり、出血したりしますが、症状が現れないことも多いようです。



この歯周病の怖いところは、症状が軽い場合は、自分ではなかな気付かないことです。歯周病は、ゆっくり、しかし確実に進んでいく歯の病気で、虫歯のように顕著に痛みを伴わないため、発見が遅れることも多くなります。統計によると、30歳で80%、50歳で90%の大人が歯周菌に感染していると言われています。そのため、ほとんどの人が、この危険にさらされていることになります。それが、国民病と言われる所以です。また、注意しておきたいのは、歯周病が、感染症であることです。つまり、歯周菌から出た毒素などが、白血球を攻撃し、更にそれが、血流によって体全体に行き渡り、糖尿病や心疾患、脳卒中など、直接死につながるような危険な病気も引き起こす可能性があると言うことです。

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