歯周病と聞くと、誰しも歯に関する病気だとすぐに思い浮かべると思います。もちろん、その通りで、歯周病とは、口の中の歯周菌によって歯茎に炎症が起こり、歯を失うことにもなる怖い感染症です。更に危険なことに、歯周菌は、口の中だけにとどまらず、歯の血管を通って、体全体へ広がり、体の様々な部位に悪影響を及ぼすと言われています。厄介なことに、歯周菌は、血液の中でも長く生きていられるほど、生命力の強い菌なのです。本当に危険な病気なのです。ただの歯の病気だからと、なおざりにしておくと、あとで取り返しのつかないことになります。

それでは、、どういった症状が体の部位に起きるのか?口の中で増殖した歯周菌は、今度は血管の中に入り、血液の流れに乗って、体の様々な臓器へ移動していきます。他の臓器へ到着した歯周菌は、そこで毒素を出し、炎症を引き起こして、その臓器の細胞を破壊していきます。その臓器としてあげられるのが、心臓や子宮や肺、そして脳です。
脳に歯周菌が侵入したら、どうなるのでしょうか?皆さんも動脈硬化と言う言葉を耳にしたことがあると思いますが、糖尿病、喫煙、そして不規則な生活など様々な不摂生によって、血管が堅くなる状態を言います。血管が堅くなると、血管のしなやかさが失われて、血管の中に、ドロドロしたものが溜まっていきます。それにより、血管内部が狭くなり、血栓などで血管が詰まってしまう危険性が高くなる状態のことを言います。この動脈硬化が脳の血管でも起きます。それが、脳卒中(脳梗塞)です。この事実を裏付ける証拠として、脳梗塞を発症した人の中に、歯周病患者が、脳梗塞を発症していない人に比べて多いことが多くの報告で述べられています。つまり、歯周病患者は、脳梗塞を発症するリスクが高くなるということです。

歯周病患者の中でも、症状が重度に分類される患者の中には、歯の痛みに伴って、頭の痛みを訴えるひとも多く、更に、深刻になると、脳卒中などにもなる危険性のある怖い病気であるという認識を持つことが大事ではないでしょうか?
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