歯が溶ける「酸蝕歯」は、虫歯や歯周病と同様に歯を失う原因として驚異的です。しかも、日本人の4人に1人は酸蝕歯の疑いがあるというのだから、決して他人事ではありません。そこで、歯を溶かされる状況を改善する方法について解説します。
■なぜ酸蝕歯を改善しなければならないのか?
酸蝕歯は、それ単体でも歯を失う原因として大きな要因となりますが、厄介な点として「酸蝕歯は虫歯の原因になる可能性がある」ことが挙げられます。酸蝕歯によって歯が溶かされると、溶けた部分が虫歯になりやすいのです。虫歯は歯周病と並んで歯を失う大きな要因であるため、それを誘発する酸蝕歯を放置することは危険です。
その他にも「歯がしみる」「歯の見た目が悪くなる」などのデメリットもありますので、早めに改善しましょう。
■食生活を改善する
酸蝕歯に深く関わっているのが「食生活」です。酸性度の高い食べ物・飲み物を好んでいる人は、それらによって口の中が長く酸性に傾いてしまい、酸蝕歯になりやすくなります。なので、酸性度の高い食べ物を避ける、あるいは控えることが重要なポイントです。
主な「酸性度の高い食べ物・飲み物」は以下のとおりです(歯が溶け始めるのはpH=5.5からが目安)。
・レモン(pH=2:胃液と同じ酸性度)
・梅干し(pH=2)
・コーラ(pH=2)
・ワイン(pH=2.5)
・梅酒(pH=3)
・りんご(pH=3)
・みかん(pH=3.5)
・ビール(pH=4)
・日本酒(pH=4)
・バナナ(pH=5)
・炭酸水(pH=5)
・コーヒー(pH=5)
・ウイスキー(pH=5)
・トマト(pH=5)
・醤油(pH=5)
・肉類(pH=5)
なお、酸性度の高さだけが、酸蝕歯なりやすさを決めるわけではありません。例えばソフトドリンクに含まれている「クエン酸」と「リン酸」の場合、どちらも同様に酸ではありますがクエン酸のほうが酸蝕歯になりやすいとされています。
上記の食べ物・飲み物を控えることで、口の中が酸性に傾くリスクを減らすことができます。しかし、これらの食品をすべて食生活から取り除くことは難しいです。現実的な対処法の一つとして、食後できるだけ早く歯を磨くか、口をゆすぐだけでも相応の改善効果を期待できます。
■食生活以外で酸蝕歯を改善するには?
先ほど「胃液の酸性度はpH=2」と触れていますが、当然ながらこれだけ酸性度の高い胃液は酸蝕歯の原因として大きな要因となります。通常、胃液が歯に影響を及ぼすことはありませんが、「逆流性食道炎」などを患っている場合はその限りではありません。
逆流性食道炎の他にも、嘔吐を繰り返すような病気を患っていると、胃液が口の中に逆流して酸蝕歯の原因となります。食生活を改善することで病気も改善できるケースもありますが、しっかりと治療を受けないと治らないケースも多いです。症状に心当たりがある人は、早めに病院で診てもらいましょう。
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